中村 遥場所を初めて訪れたのは2014年の夏、友人のハイキングに誘われたのがきっかけでした。当時は東京でインテリアデザインの仕事をしていて、山に来ることなんてほとんどなかった。でも、その夜テントの中で聞いた風の音と、翌朝の稜線の色が、何かを変えました。3年後、ここに小さな宿を作ることにしました。建物は地元の大工、内装は自分でデザインしました。2017年の秋、8室でオープンしました。
最初の冬は本当に大変でした。暖房の配管が凍って、開業から2ヶ月で修理が必要になった。地元の設備屋さんに助けてもらって、なんとか乗り越えました。その経験があって、今でも地元の職人や農家との関係を大切にしています。朝食に使う卵は、車で15分の田中農場から毎朝届きます。バターは麓の牧場、パン用の小麦粉は長野の製粉所から取り寄せています。食材の話をしだすと止まらないのは、シェフの中島のせいでもあります。
中村 遥出身のインテリアデザイナーで、2014年に友人のハイキングで初めてアルプスの高原を訪れた。当時は都内のデザイン事務所に勤め、商業施設の内装を手がけていたが、山での一夜が転機になった。3年間の準備期間を経て、2017年秋にAlpine Echo Havenを開業。建物の内装設計は自ら担当し、地元の大工と協力して施工した。趣味は早朝の一人ハイクと、山岳写真の撮影。「山の名前を全部覚えたくて、今も毎年新しいルートを歩いています」と話す。